日帰り大腸ポリープ切除

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは

大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる盛り上がった「できもの」である隆起性病変の総称であり、良性のものもありますが、大腸がんの多くは大腸ポリープから発生すると言われているため、大腸がんの予備軍とも言えます。

大きさが6㎜以上のものは切除することが望ましいとされています。内視鏡検査で発見したポリープのほとんどは、検査中に切除可能です。定期的に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受け、ある程度の大きさのポリープを切除していくことは、大腸がんを予防することにつながります。

日帰り切除術のメリット

以前は入院で大腸ポリープ切除を行っていましたが、内視鏡技術や出血予防処置の進歩により日帰りでも十分安全に受けられるようになってきています。日帰りで受けることができれば、時間的な負担が少なくなりますし、治療費の中で大きなウエイトを占めている入院費が要らなくなりますので費用の負担も軽減されます。

日帰りとはいえ切除を受けるわけですから安静にする必要はありますが、ご自宅で過ごせるためリラックスできることも大きなメリットだと言えます。

大腸ポリープの切除方法

ポリペクトミー

ポリペクトミー

きのこのような茎のある形をしたがんやポリープは、ポリペクトミーという方法で切除しています。

これは、病変の茎の部分に大腸内視鏡先端から「スネア」という金属の輪を出して掛け、その輪を締めてから高周波の電流を流して焼き切る方法です。切除した粘膜からの出血を予防するために、切除後はクリップをかけて閉鎖します。なお、当院ではオリンパス製のクリップを使用しています。

内視鏡的粘膜切除術

内視鏡的粘膜切除術

盛り上がりがなく平べったい形をしたがんやポリープでは、茎がないのでスネアがかかりにくいため、ポリペクトミーでは切除が難しく、病変部分以外に悪影響を与える可能性もあります。

そこで、こうした病変にはEMRという内視鏡的粘膜切除を行います。これは、ポリープのある場所の粘膜の下、粘膜下層に液体を注入して病変を持ち上げ、その盛り上がった部分にスネアを掛けて、電流を流して病変を焼き切ります。

切除後の合併症について

大腸がんの予防のために内視鏡による大腸ポリープの切除は重要であり、熟練した医師であれば非常に安全に行えるためとても有効な手段です。ただし、「手術」には変わりありませんので、可能性は低いとはいえ合併症が伴うことはあります。

大腸ポリープ切除後、傷口は約3週間で治癒しますが、それまでは便に血液が混ざることや、切除後しばらく経ってから腸に穴があく穿孔の可能性もあります。

術後出血の可能性について

ポリープ切除後のトラブルの中で最も多いのは、傷口からの出血です。確率的には約1%程度、数百例に一例程度の頻度の発生です。こうした「術後出血」は、どれほど熟練した医師でもゼロにすることはできず、確率を低くすることしかできません。

出血は、ほとんどが切除後2~3日以内に起こります。便に血液が混じる程度の少量出血の場合、自然に止血されますので、安静にして様子をみます。1週間を過ぎると出血の頻度は限りなく0%に近づいていきます。

ただし、便全体が血液であるような大量の出血があった場合には、大腸内視鏡による止血術が必要になる場合もあります。

大腸穿孔の可能性について

内視鏡で大腸ポリープの切除後に大腸穿孔が起きるのは、数千例に対して一例程度の極めてまれな頻度です。

穿孔が起こるのは、無理して大きなポリープを切除したり、切除の際に電気を通し過ぎた場合です。大腸穿孔が起きた場合、緊急に開腹手術が必要です。

起こるのは、ほとんどが切除後2~3日以内であり、1週間を過ぎると0%に近づいていきます。

切除費用

1割負担 3割負担
大腸の内視鏡ポリープ手術 7,300~10,300円前後 20,500~30,500円前後
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